とてもシリアスな内容なので、当たり前の話、楽しい気持ちになりたいような人が見るような映画ではない。
実話を元に作られた映画で、丁寧なストーリー構成と、なにより子役たちをはじめ、コン・ユなどの役者の演技も素晴らしかった。
子供たちの暴行シーンにはトラウマにならぬよう、かなり配慮して撮影したらしいので、そこは安心。
韓国でこの映画が公開され、かなりの反響があったそうで、「トガニ法」が成立、この映画のモデルとなった加害者には懲役12年の実刑判決が下ったとのこと。
日本じゃ考えられないよね、映画から社会問題が発信され、国民世論を巻き込んで法律ができるなんてさ。
「あくまでお隣の国の想像を絶する悲劇」という見方をしている人もいるかもしれないけど、日本でもこういう話は死ぬほどあるわけで。
未成年の性犯罪もそうだし、老人ホームでのお年寄りの虐待殺人、近年では障害者施設での殺人事件もあったよね。
こういう事件を映画化したとしたら、監督はバッシングされるんだろうなと想像できるのが悲しいかな、我が国日本。
そういえば、日本にもこの映画よりも悪質で難解な「プチエンジェル事件」というのがあったんだけど、みんな忘れてるもんね。
闇に葬られないように、是非とも映画化してほしいもんだけど。
加害者リストに裁判官や警察官、政治家、医者、皇族の名前があったらしいので、難しいかな、ジャーナリストも殺されちゃったし。
世の中には日常に埋れている悲劇がたくさんあって、映画で体感した方がわかりやすいこともあるよね、時間制限に追われてはしょられたテレビのニュースなんか見てるよりも。
