スティーヴン・キングによる原作小説は未読なのだが、特殊な設定による場面転換(絵面としてはかなりユニーク)や過去パートの挿入の仕方はキングの小説っぽい。善と悪、光と闇という分かりやすい二者の戦いを描いていたキングの初期作と比べると捻りのある対立構造が用意されている。終わってみればSFに分類できる要素も含まれているのだけれど、途中からのジャンルのシフトチェンジが急なので、観ている間は不思議とSFを観ている意識がほとんどなかった。そういう意味では、エドガー・ライト監督の『ワールズ・エンド』を思い出したり。
人間にとっての“敵”の強さ&恐ろしさを描きつつも、兵器が使用されるシチュエーションもある。そこでは兵器がしっかりと敵に対しての効き目を発揮しており、アクションとして不安なく楽しめる派手さも確保されている。これもキングの小説が原作と言われれば納得のバランス。その果てに描かれる最後の戦いは、戦いというよりも本作を一種のヒーロー譚として締めるための儀式のような印象を受けた。