EDDIE

ドリームキャッチャーのEDDIEのレビュー・感想・評価

ドリームキャッチャー(2003年製作の映画)
3.9
爪楊枝、落ちたら拾うな。正体不明のクリーチャーが仲良し4人組を襲う!スティーブン・キング原作のホラー。もはや要素集めすぎて意味不明な展開もなんか味わい深くて好きの感情が抑えられない!

何とも形容しがたい…だけど何かクセになる。そんな映画ってありますよね。
本作がまさにそんな作品。これ映画の話が進めば進むほど、「これは何を見せられているんだ?」という感覚に陥ります。
しかも唯一の大物俳優モーガン・フリーマンの必要性が皆無。サイコパスな軍人を演じて、やたら暴れまくって印象に残るんですが、映画が終わる頃に襲う感情。「え?あのキャラいる?」

みなさん、家の中で一番落ち着く場所ってどこですか?結構トイレって言う人いると思うんです。
ただ本作を観るとトイレでもウカウカしてられないなという心休まる場所知らずな感情が芽生えてしまうので、精神的に心の余裕のない方は観るのをやめた方がいいかもしれません。

キング原作の作品には切っても切れない超能力。本作にも出てきますよ。人の心を読めてしまうスーパーパワーが。序盤は大人になってしまった仲良し4人組が惜しげもなく人の心を読み解く場面が次々に出てくるわけですが、そんな人とは違う能力を持つが故の葛藤なんて描いてくるんだろうなと思ってたんです。
そしたら、なんか変なクリーチャー出てきて気味の悪いホラー映画と化してしまい、ノイズのような役割のモーガン・フリーマンが出てきて、さてクリーチャーといざ最終決戦という謎に次ぐ謎な展開。
だけど何だか物語に引き込まれていくんですよね。

印象的だった役者はダミアン・ルイス。海外ドラマ『ホームランド』で一躍有名になった彼ですが、本作が長編映画の初出演だったんですね。
本作においてかなり特異なキャラを演じており、彼の二面性を表現する類稀なる演技力には引き込まれてしまいました。
もう1人重要人物のダディッツというキャラを演じたのがドニー・ウォールバーグで、マーク・ウォールバーグのお兄ちゃんですね。彼確か『シックスセンス』でもクセの強いキャラでしたが、もうそういう役者さんなんでしょうか。

元々キングは1980年代のインタビューで「排泄機能に関連したモンスターのことは書けない」と答えていたらしく、そんな自分の言葉を前言撤回するような本作のクリーチャー。もうこれ見たら易々とトイレの便座に座れません。

※2020年自宅鑑賞169本目
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