くじら

ドリームガールズのくじらのネタバレレビュー・内容・結末

ドリームガールズ(2006年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

 何よりもまず歌が素晴らしい。気持ちを伝えるのも物語の展開も全て歌で進むところが良かった。
エンドロールも俳優さんたちの劇中ショットや劇中歌で彩られて映画の余韻を楽しめた。

 物語の展開として、我慢の限界と別離という同じ構図が何度も繰り返し起きるのが印象的だった。
 中でも、エフィがリードボーカルを辞めさせられたシーンでみんなで説得するために歌った歌がジミーが辞めさせられるシーンで歌われていたり、
エフィが辞やめさせられた時、ジミーがカーティスに辞めさせられる時、ディーナが自分の夢を追いかけるためカーティスとの別離を決めた時、その全てが我慢の限界だったところ。また、カーティスは白人に曲を奪われたことをどんな手段を使ってでも立ち直ったのに、今度はエフィの曲を奪い、エフィたちに合法的な手段でやり返されるところ。

 歌に関しては、エフィやディーナが立ち直り立ち上がるシーン、歌や込められた思いは違っても、どちらも力強くて思いがすごく伝わってくるいい歌だった。
カーティスの好みだった万人受けするサウンドと、みんなの表現したいサウンドに大きな違いがあり、みんなの表現したいサウンドの方が聞き惚れる曲が多かったのも印象的だった。

 全体のメッセージとしては、人には我慢の限界があること、そして全てを失ってもやり直すチャンスを得て輝けること、他人の言うがままに従い耐えることよりも自分の夢を追いかけ自分を自分で見つけるという選択の大切さが伝わってきた。
くじら

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