ひでやん

ボディ・ダブルのひでやんのレビュー・感想・評価

ボディ・ダブル(1984年製作の映画)
4.0
ブライアン・デ・パルマがヒッチコックの「めまい」「裏窓」をモチーフに放つエロチック・サスペンス。

いやぁ、面白かった。オープニングからエンドロールまで、たっぷり楽しませてもらった。

閉所恐怖症の売れない俳優が、仕事で家を空ける事になった友人から留守番を頼まれ、その邸宅から望遠鏡で隣人の美女を覗き、事件に巻き込まれていく。

隣人グロリアはお色気ムンムン。覗き見するエロに流れるホワホワした音楽がたまらない。望遠鏡という固定視点の観察は「裏窓」の模倣だが、その距離は尾行する事で縮まる。

尾行、尾行、ひたすら尾行。彼女との距離があまりにも近い。そして彼女が捨てた下着をポケットに…

入れたああ!

覗き、ストーキング、下着泥棒のトリプル変態パンチ。それが主人公。ひったくり男を追いかけるが逃げられる。そんな弱い男が主人公。

そしてカメラがクルクルと360度回転する抱擁と接吻のロマンス劇場。

エロ、サスペンス、ロマンスの後にやってくるのは電気ドリルのホラー。これは強烈だ。

電気ドリルすな、すな、すな…
ウィーン…ブシャシャ…
すんのかーい!これは強烈。

そんな恐怖をフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「リラックス」が吹き飛ばすハードコア。もうやりたい放題のデ・パルマ。

ポルノ女優がタイトルに繋がり、インディアン男の正体が明かされる後半の展開も面白く、エンドロールまでエロを見せつけるデ・パルマ劇場を楽しんだ。
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