ひでやんさんの映画レビュー・感想・評価

ひでやん

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市子(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

きっと明日はいい天気。

鼻歌を歌いながら市子が海の近くを歩くシーンがあるが、冒頭とラストでは全然違う印象だった。ハミングするのは童謡「にじ」で、雨があがって虹がかかって明日はいい天気というポジティブ
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.6

貴船川のほとりに佇んで。

2分間のタイムループから抜け出せなくなる群像コメディ。京の奥座敷として愛される貴船が舞台で、オール貴船ロケ。長い階段に朱灯篭が並ぶ貴船神社と、情緒あふれる老舗料理旅館「ふじ
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ファミリー☆ウォーズ(2018年製作の映画)

3.1

一家団欒からの一家狂乱。

食卓を囲む家族の日常から始まるが、序盤から嫌な予感がした。それは銃を持つ隣人と認知症の祖父という2大不安要素のせいだ。案の定、爺さんがやらかしてタイトル通りの家族戦争へと雪
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ぱん。(2017年製作の映画)

3.0

15分ドラマ パンは地球を救う。

朝はパン、パンパパン♪ナンもパン、パンパパン♪バイトのインド人がナンもパンて言うから、そういう事にしておこう。

阪元裕吾と共同監督した主演の辻凪子が、パン屋をクビ
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キャンディマン(1992年製作の映画)

3.2

語り継がれて存在する殺人鬼。

ヒロインのヘレンがとにかく可哀想。目を負傷し、誘拐犯にされ、友人を殺され、旦那に裏切られ、踏んだり蹴ったり。散々な目に遭ったあと泣きっ面に蜂…。蜂、蜂、蜂。多過ぎるわ。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.1

世にも奇妙な里帰り。

3時間もある上映時間に一瞬怯んだが、その体感速度はまるで夢の中だった。治安の悪いアパートから介抱される邸宅、旅劇団と出会う森の中、実家から審判の泉まで、奇想天外に切り替わる場面
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ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ(2024年製作の映画)

4.0

満身創痍の舞台裏。

暑い中、かなりハードな撮影だったんだな。体中が痛くて一睡もできなかったという池松壮亮、足を怪我した大谷主水、体調不良でダウンした高石あかりと伊澤彩織。皆、限界を越えてる。県庁での
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死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.7

縦横無尽のカメラワーク。

邦題エグい。死霊って…そんで、はらわたって…おぞましいタイトルだ。サム・ライミ監督が低予算で撮った血みどろブッシャーのスプラッター映画。まず冒頭の死霊視点が怖い。森の中で蠢
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ポルターガイスト(1982年製作の映画)

3.5

死者たちの怒りのハリケーン。

家中をうろつき回る犬の視点で始まり、5歳の少女へと切り替わる冒頭が最高。砂嵐のテレビを見つめる少女がジャケ写になっているが、このシーンが一番印象的だった。これぞスピルバ
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わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

3.6

連綿と続く血の中で。

古来、こノ国では恐怖心が生み出す鬼や妖ヲ異形と呼び…。この冒頭のテロップで違う映画を観てしまったのかと思った。前知識もなく鑑賞したので、タイトルからは想像もできない重々しいオー
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.5

手に汗びっしょり。

地上600メートルのテレビ塔になぜ登った?「そこに塔があるから」ではなく、ここにSNSがあるからで、投稿した動画でバズりたいだけだよね、ハンター。立入禁止の現在は使われていない老
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RRR(2022年製作の映画)

4.8

たぎる、みなぎる、ほとばしる。

イギリス植民地時代のインドを舞台に、互いに素性を知らないまま出会った2人の男の熱い友情と戦いを描いた物語。独立運動の英雄がモデルとなっているが、今作で描くのは歴史では
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ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

4.3

格別にゆるやかなバカンスと、格段にレベルアップしたアクション。

宮崎県を舞台に、ゆるフワ&キレッキレのアクションを繰り広げる今作は、3作目にしてシリーズ最高傑作だった。史上最強の殺し屋と序盤で対峙し
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スロータージャップ(2017年製作の映画)

3.6

刮目せずに、細目で耐えろ。

不謹慎、不道徳、不愉快の3F胸糞濃厚ブラック・コメディ。フェスティバル&カーニバルのノリで全編突き進むバイオレンス&カニバリズム。オープニングからエンド・クレジットまで狂
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ハングマンズ・ノット(2017年製作の映画)

2.7

全編にわたって容赦なきバイオレンス。

低予算の自主制作映画で、よくここまでの暴力描写を撮ったものだ。ヤンキーvsサイコパスという発想は良いが、過激な映像を撮りたいだけのように思えて、何か大事なものが
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べー。(2016年製作の映画)

3.4

日常が一瞬で血に染まる衝撃。

阪元裕吾監督が大学在籍中に撮影した短編映画で、衝動的な暴力と貫き通す愛を描く。過去の映像に突入する時、「回想」というテロップが画面中央にでっかく出る作品を初めて観た笑。
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.6

アホらしいが嫌いじゃない。

屁をこく死体で無人島から脱出したとさ。めでたしめでたしって、エンド・クレジットが流れるようなオープニング。あ…これから始まるのか、ここからどうやって話を広げるんだ?て思っ
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.8

前半と後半でガラリと変わる二部構成の転落と再生。

今この瞬間を謳歌する若者たちのエネルギッシュな波が猛り狂い、回転してうねるカメラと音楽が彼らの感情と連動する。そんなオープニングに圧倒されながら、こ
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

無関心ではいられない人たちの喪失と救済。

自らの死期を悟った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする今作は、とにかく観ていて胸が苦しかった。笑うだけで咳き込み、胸に手を当てるチャーリーに身動きが取れな
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.9

カラフルなバタークリームでデコレーションされた毒入りカップケーキ。

泥酔したふりして男たちに制裁を加える序盤で居心地の悪さを感じた。ターゲットとなる男たちは、力任せで襲いかかるチンピラではなく、大胆
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.8

”愛”よりも昔、”孤悲”のものがたり。

キャッチコピーがもうシャレている。万葉集をモチーフに淡い恋を描いた今作は、新海ワールド全開だ。とにかく雨の描写が美しい。池の水面に映る木々の緑と波紋、路面の反
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星を追う子ども(2011年製作の映画)

3.1

既視感たっぷりのジュブナイル。

冒頭、小高い丘の上で鉱石ラジオに耳を傾ける少女。その主人公アスナがトトロのサツキにしか見えず、ミミがナウシカのテトに見えたので、そこからもう何もかもがジプリに見えて仕
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雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

3.5

世界を救う眠り姫。

津軽海峡を挟んで日本が南北に分断された戦後というもうひとつの世界を舞台にしたのは良かったが、登場人物に感情移入できないままだった。どこにでもいそうな等身大の少年が主役なら、その少
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.8

重くてフワフワした震災+ファンタジー。

すずめが海の見える坂道で草太と出会うシーンがグッときた。光の表現や色彩が素晴らしく、今作もまた風景描写が緻密で美しい。地震の警報音が鳴るシーンは、今年の元日を
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未知との遭遇 ファイナル・カット版(2002年製作の映画)

4.2

選ばれし者の犠牲。

初見は随分前で、あの時覚えた衝撃と感動を忘れていた。あれから数々のVFXが感動を上書きしたせいだ。縦積みで埋もれてしまった感動を引っ張り出すように、久しぶりに鑑賞。もう、ビックリ
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フック(1991年製作の映画)

3.6

スピルバーグが描く大人になったピーターパン。

名作童話の実写化だと思っていたが、まさかの後日談だった。永遠の少年が大人になるなんて…。仕事人間となり飛び方を忘れたピーターパン。飛び方=楽しい事で、大
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ピーター・パン(1953年製作の映画)

3.8

夢と冒険の島へ。

ピーターパンをちゃんと観た事がなかったので、今更ながら鑑賞。ティンカー・ベルって、気が強くて嫉妬深くて喋らない妖精だとは知らなかった。怒ると赤く光るから分かりやすい。

犬のナナに
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ウザくて愛しい変わり者。

いかにも金田一耕助が登場しそうな屋敷で、いかにも人が死にそうな遺産相続争い。謎解きゲームの中で次々と殺人事件が起きるかと思いきや、過去へ過去へと遡る狩集家の秘密。緻密に練ら
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.8

戸惑いながらも走り抜けるエネルギッシュな輝き。

冒頭からキラキラと瑞々しく、青春真っ盛り。高校最後の夏休みに映画作りに熱中する生徒たちってゾンビ映画を撮りがちだが、そこを時代劇にするのがたまんない。
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.6

日本という国を考えると非現実的だが、兄妹の世界を考えると残酷な現実。

右足が不自由な兄が、自閉症の妹に売春をさせて生活する。そのあらすじだけで重くなる。困窮し、どこまでいっても救いがない兄妹を観てい
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さがす(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルの意味が深い。

韓国映画の雰囲気を醸し出していると思っていたが、ポン・ジュノから映画を学んだ監督だったのか、なるほど。韓国映画に太刀打ちできるほど見応えがあった。

娘、殺人犯、父親と、視点
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悪魔のような女(1955年製作の映画)

4.0

ネタバレ厳禁。ラスト5分の衝撃。

ヒッチコックが原作の映画化を熱望し、その権利を買おうとしたもののクルーゾー監督に先を越されて映画は大成功。その出来の良さに嫉妬したヒッチコックは、原作者が次に書いた
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.6

顔で語るサイレント映画の金字塔。

精神的リンチ。それを観る自分の精神まで追い込まれていき、かなりエグい。百年戦争で祖国を解放へと導いたジャンヌ・ダルク。その英雄性を剥ぎ取り、映し出すのは一人の人間。
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

いつもすべてが新しい。

「完璧な日々」というタイトルで、繰り返しのような日常を淡々と描くヴィム・ヴェンダース。不安を煽る事も好奇心を刺激する事もなく、エンタメ性を取っ払って描く「今この瞬間」。

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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

雲は流れ、風は鳥のさえずりを運び、人は去る。

不審死事件の真相を、湿地帯で生きる孤独な少女の生い立ちと共に描いた今作は映像が美しかった。生い茂る草木、黄昏に染まる空と静かな水平線、切り株に置かれた鳥
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シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.6

その瞬間、神が差すか魔が差すか。

銀行の支店で起こった現金紛失事件から露わになるメガバンクの不祥事を描いた今作は、現金窃盗の犯人が序盤で明かされるのでミステリー要素は薄い。誰が何のために盗んだのか分
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