オーウェン

ライアンの娘のオーウェンのレビュー・感想・評価

ライアンの娘(1970年製作の映画)
4.0
この映画「ライアンの娘」は、20世紀初頭の反英運動下のアイルランドの寒村を舞台にした、巨匠デヴィッド・リーン監督の壮大な愛の叙事詩だ。

教師と結婚した居酒屋の娘が、英軍の指揮官と恋に落ち、スパイ容疑をかけられる。

人妻の不倫愛を軸に、大自然と人間の共存を、デヴィッド・リーン監督独特の重量感とスケールで描いた佳作だ。

崖を舞うパラソル、冬の荒海、官能的な森といった、各々のシーンの絵画的な美しさ。

貧困と偏見が蔓延する村への不満を、結婚で解消できず、不倫へ溺れていく人妻の心の揺れを、サラ・マイルズが繊細に演じているのが印象に残ります。

また、ヒロインに付き従う小男の純粋無垢な愛も忘れられない。
オーウェン

オーウェン