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ラバーのsonozyのレビュー・感想・評価

ラバー(2010年製作の映画)
3.5
フランスのカンタン・デュピュー(Quentin Dupieux)監督によるRubber(ゴムタイヤ)が主役の奇妙なホラーコメディ。

乾いた大地。並んだ椅子をなぎ倒しながら到着した車のトランクから登場した保安官チャド(スティーヴン・スピネラ)。
集まった客たちに「E.T.の宇宙人はなぜ茶色なのか。理由などない・・・」といくつかの映画を挙げ「偉大な映画には必ず理由なき重要な要素が入っている。人生は理由のない事の連続だからだ。」と語り、「この映画は理由がないこと(No Reason)へのオマージュだ」と伝えると、助手から客たちに双眼鏡が渡される。

この客たちが遠方で繰り広げられるライブな映画を鑑賞するようだ。

すると、大地に埋まっていた1つのタイヤが起き上がり、転がり出す。乗って潰せないビールの空き瓶の前で何やらワナワナ震えるとサイコキネシス・パワーで空き瓶を破壊する。
このヤバいパワーを持ったタイヤくん(ロバートという名らしい)、翌朝は野ウサギを同様に破壊し、ハイウェイに出ると、走り去るオープンカーに乗る美女シェイラ(ロキサーヌ・メスキダ)に惹かれ後を追う・・

シェイラが泊まるモーテルで、いろいろやらかすタイヤくん(ロバート)は、山積みになった廃棄タイヤが燃やされているのを見ると、怒りからかサイコキラー度がUP。

遠方の砂地から双眼鏡で一部始終を観ている観客たちは何故か手荒い扱いを受け(砂地で寝袋)、助手が投げ込んだ七面鳥の丸焼きに群がり貪り食うと・・

サイコキラーなタイヤくん(ロバート)ですが、ソファでテレビ見たり、プールに入ったり、シャワー浴びたり(笑)、最後には別の姿に生まれ変わったりします。

『Wrong』のような爆笑ポイントはありませんが、この狂った“No Reason”な企画(笑)、さすがです。
ロキサーヌ・メスキダが美しい。

シッチェス・カタロニア国際映画で複数受賞
-Carnet Jove Jury Award
-Citizen Kane Award for Best Directorial Revelation
-Grand Prize of European Fantasy Film in Silver
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