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忠次旅日記 信州血笑篇のTsutomuZのレビュー・感想・評価

忠次旅日記 信州血笑篇(1927年製作の映画)
4.0
伊藤大輔、大河内傳次郎共に29歳が作り出した、新しい時代劇であり、いつの世もそうであるように敗残者である若者の映画でした。

主人公忠次が第三部では全編寝たきりという設定が、運命に身を任せるしかない、悲劇性を帯びていく。
この時代劇によってはじめて人間を描くことができたと言われている理由がよくわかった。

最後の活動写真弁士と言われる井上陽一さんの名調子も素晴らしかった。

年齢と病気から、ご本人がもしかしてこれが最後になるかもとおっしゃていたのと、最後のシーンの忠次と重なる。
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