菩薩

坊やの人形の菩薩のレビュー・感想・評価

坊やの人形(1983年製作の映画)
4.3
第1話「坊やの人形」、監督:ホオ・シャオシェン

生きていくには金がかかる、幸せな生活には更に金がかかる。皆にコケにされようと、汗水垂らして働く父、子供の抱き方もあやし方も知らず、赤児は父の本当の顔を知らない。それでも俺はこの子の大きな人形で良い、君が笑うなら俺はピエロにでもなろう、神がかったタイミングで泣き出すベイビー、ナチュラルソフトモヒカンのその髪型…「坊や良い子だねんねしな」が脳内でこだまする。

第2話「シャオチの帽子」、監督:ソン・ジュアンシャン

圧力鍋が後にどんな悲劇をもたらすかなど序盤で既に想定済み。当然インパクトだけで言えばこの章が一番だろうが、豚足の毛って炙った方が早くないか…?なんてどうでも良いことを考えてしまったし、流石に「帽子」の演出はやり過ぎであそこだけ真実味にかける。こいつ絶対ロリコンだろ…なんて邪推をしてしまった俺も悪い。貧困がもたらす圧力、手っ取り早くがもたらす悲劇、積み上げられた「しあわせコンビ」。

第3話「りんごの味」、ワン・レン

アメリカ様、父の両足を粉砕してくださってありがとうございます、ここはまさに天国でございます。ギブ・ミー・チョコレートで培われる奴隷根性、ギブに対するテイクのバランスは取れているのか。それでもきっとこれを幸運と呼ぶ人は少なくない、親の不幸は林檎の蜜の味、初めて知るそれはたとえ甘酸っぱくとも美味。
菩薩

菩薩