LEE

黒帯 KURO-OBIのLEEのレビュー・感想・評価

黒帯 KURO-OBI(2006年製作の映画)
3.7
実際の達人たちを呼んで製作された空手映画
本物にしか出せない迫力のある作品だった


ストーリーは70年代の荒唐無稽なカラテ映画というよりスピリットのような武徳を題材に扱った香港のカンフー映画に近い
同じ師匠のもとで学びながら道を違えた二人の空手家の対立を描いていて、個人的にはかなりグッとくるものではあった
でも演技が微妙だったり(空手家の面々は分かるけど、俳優陣も…)、撮り方があまりにも淡白な部分があったりしたのは見ていて気にはなった


そして気になるアクション……というかこれをアクションといっていいのか分からないけれども素晴らしかった
立ち回り自体はかなりシンプルなんだけど、出演者たちのポテンシャルでたった一つの突きや蹴りが芸術レベルまで昇格されていて、今のアクション映画にはない興奮を久々に味わえたような気がする
今はカット割りやカメラワークの技術向上によって迫力のあるアクション映画が増えてきたけど、本作は70年代の李小龍登場あたりだったり格闘家チャンピオンが大勢出演していた頃のマーシャルアーツ映画のような凄みが出ていた
一つ残念なところでいうと、ストーリー上しょうがないけど主人公は空手に先手なしという教えを守る為あまり攻撃的ではないので、前半はちょっと控えめには感じた
とはいえ受けだけでこんなに攻撃性を出せるものなのかとも感心させられた


中々渋い映画ではあるんだけど、こういう映画は今後も作られていくべきだなと感じた一本でした
LEE

LEE