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禅 ZENのtheocatsのレビュー・感想・評価

禅 ZEN(2008年製作の映画)
4.0
新味のない演出ながら道元師を知りえたことに深く感謝

宋の仏教僧を全て邦人俳優が中国語で演じるの見て、正直安っぽそうと初っ端から俗っぽさ丸出しの印象を抱く。苦笑
しかし、主演:中村勘太郎の演技がなかなか様になっており、直に居住まいをただすことになる。

何より、“禅”に関して知っているのは名前と形だけの座禅のみだったので、道元という人物の辿った道筋をフィクションであっても覗き見ることができたのはまことに興味深く、そして心底有難いという心境にさせられる。

終盤、北条時頼役として藤原竜也が顔を出し、道元とのやり取りは本作の一つのトピックと言え、いい場面だったと思う。

総じて、見た甲斐の有るいい映画でしたよ。


追記:序盤でこれは明らかにおかしいと感じたのが、命が危ない赤ん坊を抱えた遊女:内田有紀に助命を乞われた道元が「人が死んだことのない家から豆(だったと思うが)をもらってきなさい」という件。
これはブッダ伝説からのもじりなのだろうけど、死んだ赤ん坊を生き返らせてほしいという懇願に対する先のセリフだったと記憶しているので、そこは奇妙に思った。
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