ざきを

復活の日のざきをのレビュー・感想・評価

復活の日(1980年製作の映画)
4.5
MM-88という生物兵器が拡散され、人類は滅亡する。しかしこの生物兵器は-10℃以下になると活動しなくなり、南極にいる863人は生き残り、人類最後の希望となる。

前半の1時間は世界各地でのMM-88によるパンデミックが描かれる。
コロナ禍の今、映画の中だけではないなと思わされる。そして、こうした時はみんなが心を一つに、団結しなくては災禍をくぐり抜けられないということを改めて痛感させられる。「自分はいいや」という身勝手、この身勝手が少しでも出れば、破滅が近づいてくる。
最近第5波が終息したけれど、緊急事態宣言下の東京の街に出ている人の姿を見ていたり、Instagramをみていたりすると、第5波なんてもっと後に来たものなのではないか?、そもそも第5波なんてこなくても私たちは生活することができたのではないか?、と色々と考えさせられる。私みたいに仕事以外でほとんど家から出ない人なんてほとんどいないのでは?となんだかバカバカしくなっていた中、私の我慢は間違っていなかったんだとこれを観て思う。
きっと第6波はくると思う。もう少し団結できれば、身勝手がなければ、少しの我慢ができたら。そうしたら、第6波を先に伸ばし、普通の生活も近くなるのではないかと思う。私1人の力では世界を元に戻せないけど、そんな1人が増えていけばと切に願う。

後半は核の脅威による2度目の人類の滅亡、というエンタメ寄りに。生き残るために奮闘する863人に迫る危機。その危機を彼らはどう乗り越えていくか。
子孫問題にも着目していたのはとても興味深かった。恋愛が根ざしている世の中で、恋愛の無い子づくりという倫理観。その中で女性の人権はどうなるのか?答えに悩む、答えがありまするしないような気がする問い。観終わったあともなんだか考えさせられることの多い問いが沢山ある作品です。

ドラマ「日本沈没-希望の人-」が放送され、小松左京に興味を持って鑑賞したのだけど、観て正解、とても面白かった。
「復活の日」こちらもドラマ化して是非とも観てみたい。コロナに翻弄される今日の日本人だけではなく、世界の人にも刺さる作品だと思う。
そして、日本人主導でここまで大きい規模の作品を40年前に作れていたことにも驚き。邦画もやはり侮れない。
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