椋太

復活の日の椋太のレビュー・感想・評価

復活の日(1980年製作の映画)
3.4
人類を救うのは無知な正義感の強い一般人ではなく,努力を積み重ねた知識人であることは明確であるが,生き残った彼らに何が出来るだろうか.せいぜい,紀元前からの歴史を繰り返すだけである.あたかも人類史上の快挙であるかのように電話が開通し,月面着陸を報じる,そんな世の中になるだけだ.そのうちに太陽が膨張し,地球は消えてなくなる.そう考えれば,生き残った人類など,たいした意味は持たない.希望が可能性を広げない限りは.ここまでが酔っ払いながら鑑賞した感想.ここからは,スープを飲んで多少落ち着いた感想.1980年代の作品であり,俳優知識に乏しい自分でも分かるようなキャストが並んだ作品.とは言っても草刈正雄,緒方拳,千葉真一くらいであるが.作品は今から30余年前に製作されているが,現在の私に対しても変わらず感性を震わせている.まぁ,直近では,知っている限り日本においても列島感染や,ドラゴンヘッドなど,人類滅亡はたびたび訪れており,文明は都度途絶えている(だろう).この作品のカタルシスはなんだろうか.上記に述べたようなことであれば新鮮さはない.もちろん80年代の作品である.私が経験した映画の礎の一部的な作品なのだろう.引き込まれる作品だった,この後に人類はサルの惑星と化すのか,ただ歴史を繰り返すのか.面白い話題である(まだブランデーが効いてる).人類存続の意味など無いに等しい.とは,全てのキャラクター全てが感じる一部だろう.それでも生きるとは未練執念のある嘆かわしい有機物だ.今まで積み重ねた知識や感性は何を目的としていたのだろう.今を生きるための幸せなんて,気づけば無いに等しい.これが無宗教という宗教なのか(結局ここまで酔っ払い.以後も酔っ払いのため自重).スケールのすばらしい作品です.
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