TamaiYuji

死の接吻のTamaiYujiのレビュー・感想・評価

死の接吻(1947年製作の映画)
3.5
「ウィヒヒヒヒヒ」
 あの笑い声を表記するとこうかしら? 違うかなー。

 我らがリチャードウィドマークの独特の卑き笑いが存分に楽しめる当作品は、家族のために仲間を裏切り、密告屋になってしまった草臥れた男と、「俺を信用しろ」とか言って密告をそそのかすものの、実際は失敗の連続で大して頼りにならない検事、そして「裏切りは許さない」残忍な殺し屋による三つ巴の戦いが描かれるが、なんと。三方一両損の大団円でハッピーエンドを迎える。ある程度フィルムノワールものを観てはいるが、こんなの初めて。

 ところで、ウィドマークの役柄は"サイコパス"というより"ジャンキー"なのではないか。40年代、ビバップジャズとドラッグ(映画の中では香水と言っている)は分かち難いものだった。有名な「階段落とし」の時はバッチリ"キメ"ていたにちがいない。
あいつは最高にヒップな奴だったのさ!
TamaiYuji

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