死の接吻の作品情報・感想・評価

「死の接吻」に投稿された感想・評価

UCOCO

UCOCOの感想・評価

4.0
心霊などのホラーとは別の意味で終始ホラーを体感したように思う。

フィルム・ノワールらしく、殺人・ゴロツキ・窃盗・逮捕・シャブなど、何ともブラックな要素てんこ盛りのストーリーに加え、役者たちの顔の影・夜道での孤独感は上手く演出されている。

この時代、そしてフィルム・ノワールにしては珍しく男女の愛を語るシーンが少ないように感じたが、主人公の愛娘たちに対する愛情表現を目にするだけで心が洗われたような錯覚に陥る。
ヘンリー・ハサウェイ監督作品。
刑務所に入ったことがある主人公は、職に着けず、娘達へのクリスマスプレゼントを購入するために銀行強盗をしようとするが・・・という話。

リチャード・ウィドマークのデビュー作。デビュー作にも関わらず演技が素晴らしい。冷血な悪役を演じ、笑い方が気持ち悪い。笑ったと思えば急に真顔になる。

銀行強盗した後エレベーターで下りる主人公達とエレベーターの階数、通報しようとする職員とのクロスカッティングでサスペンスを演出。
ビロードの僅かな隙間から覗くリチャード・ウィドマークの顔の演出が怖かった。
ノワールらしく影が濃く、人物にあたる影の具合が良かった。
tych

tychの感想・評価

3.7
宝石強盗をして捕まるも仲間を売らなかった男。だが、仲間は男の家族の面倒を見てくれなかった。男は仲間を密告すると決める。刑を減じられ、新しい妻、娘らと楽しく暮らせる筈が、なかなかそうはいかない。思い詰めた挙句、自ら体を張って敵を封じる決断をする。このラストはCイーストウッドの「グラントリノ」を思い出させる展開。切なさが良い。若きリチャードウィドマーク、チンピラを軽快に演じている。

このレビューはネタバレを含みます

『街の野獣』に続いて鑑賞したら再び登場のリチャード・ウィドマーク。車椅子を階段から突き落とす描写は40年代の映画にしては珍しく直接的。
いやぁ~、ドキドキさせられたノワール映画だった。実在の地方検事補が書いた実話に基づいてヘンリー・ハサウェイが監督した1947年作品。こういう「コワ面白い映画」が大好き!
この映画で印象的なのは、主演のヴィクター・マチュアだけでなく、本作がデビュー作というリチャード・ウィドマークが「いかにも悪者」という存在感で怖い顔・ニヤニヤ顔を見せながら、話す姿もインパクト大。

クリスマスの夜、子供にクリスマス・プレゼントをしたくても金が無い男が、悪党仲間と一緒に宝石強盗をする。この宝石ショップがニューヨークの高層階にあって、宝石を持って逃げようとする男達は急いでいるのだが、高層用エレベータは人の乗り降りでゆっくりしか降下しない。まずは、ここからドキドキさせられる。「おいおい、強盗たちが逃げられないじゃないか…」と思うので。
そして、強盗の1人が警官を殴って走り出すが、警官に脚を撃たれて1人だけ逮捕される。これがニック(ヴィクター・マチュア)だが、彼には妻と2人の娘がいる。しかし、犯罪を繰り返しているので、刑務所から出られない。そんな彼に近づいて来たのが、地方検事補ダンジェロ(ブライアン・ドンレヴィ)だった。検事補は「共犯者の名前を白状すれば減刑・仮出所させる」とニックに持ちかけるが、ニックは「密告はできない」と拒否。
そんな彼を待っていた妻は生活苦でガス自殺し、2人の娘は施設に入れられた。刑務所に面会に訪れたのは、以前、ニックの子供達と仲良くしてくれた女性ネッティ(コリーン・グレイ)であり、ニックは子供達のために、ダンジェロに密告することを決意。
だが、密告した上に、法廷で証言までさせられたニックは妻子ともども、凶悪犯(リチャード・ウィドマーク)に狙われるハメになるのだが……。

あまり有名な作品ではないが、こうした面白い作品があるから、映画を観るのを止められない。
ノワール。最期の辺りで、音がほとんどない中、悪役のユードーさんがいつ出てくんの?!ってめっちゃドキドキした。暖簾の隙間から目がスッ、って白熱のコーディさん並みに怖かったぞ!子どもと家族は何にも優先。大事。
pier

pierの感想・評価

4.2
どう見ても善人のヴィクター・マチュアが、悪事から抜け出せずにいるノワール映画。
人影の使い方がハラハラさせて効果的。
ウィドマークはデビュー作から巧い。
ビクターマチュアがケリをつけるために単独行動を起こす流れはいいが、目撃者をお膳立てしてしまうようなところは弱いと思う。コリーングレイが可愛い。ギャングが座ると一般人が退席する
放置購入ソフト初鑑賞。

こちらのサイトで見たところ1995年のリメイク版は散々な評価なのですね…
私は未見なのでなんとも言えませんが…

ヘンリー・ハサウェイ監督の作品は、西部開拓史、ネバダ・スミス、ナイアガラ 、アラスカ魂といったメジャーな作品しか観たことがないのですが、これといった違和感は感じずに楽しめていた気がします。

で、この作品。
予想を上回る面白さでした!

ヴィクター・マチュア演じる主人公が家族を守るためにした行動が痺れます。
フィルムノワールなので、最後はきっと…だったのですが、良い意味で意外な結末でした。
リチャード・ウィドマークは定評通り、いい味出してました。
秀作だと思います。

この監督の作品も記憶が薄れているので、これを期に再鑑賞したいと思います。
生真面目すぎるのですこし肩が凝るが、アメリカの佐藤允こと(←誰も言ってない)リチャード・ウィドマークの魅力でぐいぐい引っ張られる。