星一

東京物語の星一のレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.5
初めての小津安二郎作品です。
見てやっぱり名作と呼ばれるのが少しわかったような気がします。

子供達を訪ねるために、はるばる尾道から東京に訪ねる老夫婦の東京での日々と、そのあとを淡々と描いている印象の作品。

このなだらかにゆっくり進んでいく感じ、東京での生活、心情、全てがリアルに感じました。

老夫婦だけではなく、それぞれの仕事を持った子供達にちゃんとそれぞれの生活、物語があり、それをリアルに感じ取れ、心情も嫌なほど伝わってきました。

だからこそ、見ている最中、そして見終わった後もどこか悲しく感じてしまうのです。

「生きている間にもっと優しくしておけばよかったと思いますよ。」最後に言ったこの台詞が、痛く心に沁みました。

この時代を生きる人々の、生きた物語、生きた映画なのかなと思いました。
星一

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