初めての小津安二郎作品です。
見てやっぱり名作と呼ばれるのが少しわかったような気がします。
子供達を訪ねるために、はるばる尾道から東京に訪ねる老夫婦の東京での日々と、そのあとを淡々と描いている印象の作品。
このなだらかにゆっくり進んでいく感じ、東京での生活、心情、全てがリアルに感じました。
老夫婦だけではなく、それぞれの仕事を持った子供達にちゃんとそれぞれの生活、物語があり、それをリアルに感じ取れ、心情も嫌なほど伝わってきました。
だからこそ、見ている最中、そして見終わった後もどこか悲しく感じてしまうのです。
「生きている間にもっと優しくしておけばよかったと思いますよ。」最後に言ったこの台詞が、痛く心に沁みました。
この時代を生きる人々の、生きた物語、生きた映画なのかなと思いました。