とても良い映画だった…
この映画は、言わずもがなではあるけれど、
歴史的資料的な側面と、いつの時代も変わらない人間を映す芸術作品的な側面があったと思う。
前者としては
まず「戦後」の生々しい会話はリアリティがあって考えさせられたし、
(個人的だけども)当時のコミュニケーションの取り方はかなり勉強になった。
(何度も遠慮した上でありがたく頂くとか、何かをするときに謙ることを言う、とか。昔から常に違和感だった祖母の言動が自然に劇中で繰り広げられていて、こういうことか、、、とある種の形式美を初めて知ることができたと思う。)
後者としては、
家族の在り方とか、親子の関係って今も昔も本質は変わらないんだなと。
歳を取った親に寄り添うことは、親子だから出来るわけではない。親子の関係に甘んじてはいけないし、親孝行が子の自己満足になってもいけないなと教訓になった。親しき中にも思いやりは大切。
ただそれが、なんともさりげなく、じんわりと描かれていくのが、名作と呼ばれる所以なんだろうなと思った。
ラストの紀子とお父さんの会話で泣けてしまったなあ。