Nax1860

東京物語のNax1860のネタバレレビュー・内容・結末

東京物語(1953年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

淡々と進んでいく印象だったが、最後にどっと数人の登場人物の本心が垣間見えた驚きがあった。特に紀子。彼女の堰を切ったような涙と告白はすごく人間味がある。新しい夫なんていらない、「いーえ、いいんです」と言う気持ちも彼女の本音であり、同時に「何事もなく毎日が過ぎていくのが怖い、何かを求めてしまっている」というのもまた本心。どちらも本心だから葛藤して苦しんでいるというのが理解できるので、とても印象に残った。


口では親のためを思っているようなそぶりを見せながら、やはりどこか2人を邪険に扱う兄妹(特に妹)。「自分の生活の方が大事になっていく」という紀子の言葉はいつの時代も変わらないんじゃないかと思った。でもどうしてもそれに抗いたい、という京子の気持ちもわかるなぁ。
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