東京物語のTomのネタバレレビュー・内容・結末

日本的な、「静」の場面が魅力を持つ作品だなと思った。古きよき東京の風景が見られるだけでもいいなあ。
息子たちに会いに東京へ旅行に来た主人公夫婦がどこか厄介者扱いされてしまう様子は、今も昔も変わらないかなあと思う。子は親離れするものだけれど、親子関係って意外と希薄なのかもしれない。次男の奥さん(未亡人)が一番優しかったけれど、他人だからこそ優しくなれたのかなあ。でもあの人そのものの優しさが大きかったなあ。
東京ゆえの忙しさもあるのかなあ。便利で発展した都市だけど、東京で暮らす人々の心は必ずしも幸せではないのかもしれない。
三男の、布団と親孝行の話とか、最後の最後に旦那さんが、もっと奥さんに優しくすればよかったですねえと言う場面とか、ほろりと泣ける。感情を表に出さないのは日本人の美徳でもあるけど、やっぱり家族を大切に思う気持ちは折に触れて伝えていきたいなあ。
それから、映画「東京家族」は、想像以上に忠実に東京物語のプロットを辿っているんだな、と思った。