MasahideYoshida

東京物語のMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.2
1953年公開
監督:小津安二郎
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尾道から東京に、子ども家族を訪ねてきた老夫婦を取り巻く、家族づきあいの息遣いを描いたお話。

丁寧で、リアルだなあと。あの、祖父母が家に来たときに距離感わからなくてすねちゃう孫たちの描写とか、すげーなと。わずらわしさと愛おしさと難しさと、そういうものが混然一体のなりつつも、何とかその距離感に折り合いをつけて向き合わないといけないのが親戚づきあいというものなのですよと言われているような気もしつつ、それが面倒だという気持ちがどちらかという勝って、今の世の中のこのような状態が起こっているような気もするし。

「東京は人が多すぎて、上がつっかえているせいだとか、情けない言い訳をうちのせがれは言いよる」

とか、今の時代でもそのまんまいえそうなことをこの時点でセリフにしていて、繰り返すというか、引き続くものだなと思った一本。

2016年5月6日