8g

東京物語の8gのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.3
めちゃくちゃ泣いてしまった。

尾道から子供たちの住む東京へ遊びに来た老夫婦。しかし子供たちには厄介者扱いされ、亡き次男の妻である紀子だけが2人に良くしてくれる。
厄介払いとまでに熱海へ旅行させられた折、老いた母は具合を悪くし、尾道へ帰ると急死してしまう。葬式が終わると子供たちはすぐ帰ってしまい、やはり紀子だけが残る。
「あんたが医者になるまで私生きとるかのう」
「孫のほうがかわええ言うが……やっぱり子供のほうがええのう」
「おかしなもんじゃ。子供たちより他人のあんたのほうがよっぽど良くしてくれた」

すれ違う親と子。死を待つだけの老いた親と、成長しきって自分の生活を持つ子供。冷え切った家族関係が淡々と語られる。
京子も言っていたが、家族ってもっと暖かいものなんじゃないの!?こっちのほうがリアルなんだとしたらつまらなさすぎる。それに対する紀子さんの言い分も分かるけど。
ていうか紀子さんが良い人すぎる。人間の善性を煮詰めたら紀子さんになる。
東山千栄子さんの笑顔、いいなあ。

ローポジションカメラ、計画され尽くした構図、見やすいけど整いすぎてて若干怖い。
人物単体のバストショットは、絶対に人物が画面の真ん中に配置されてる。なぜ…?怖っ。
イマジナリーラインぽんぽん超えてて怖い。自由か。
8g

8g