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情熱の狂想曲(ラプソディ)のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ジャズ創世時代の歴史薄明期。遥か昔の伝説のジャズマン。ビックスバイダーベックを描いた伝奇sfな音楽映画。そんなに裕福でもない子供時代で腹ペコな筈なのに薄汚れた救世教会の炊き出しイベントそこで食事じゃなくピアノばかりに興味を示し。毎日通って独学でピアノをマスターしたりとパラノイアックな天才ぶりを示す。音を食べて生きるが如きテンセイのミュージシャンズミュージシャン描写はチョットやり過ぎの感さえあるがスーパーマンの子供時代のようでsfばりにワクワクする。プロになってからも人間ばなれな天才ぶりは止まず。指揮者抜きの白人だけのビバップアフターアワーズジャムセッションシーンはロフトジャズニューヨークパンクジャズみたいでヤバい。長生きしてたらどんなに前衛的な自身の楽団を率いただろう。まぁとにかくパンクでかっこいい。ところがローレンバコールが登場するあたりから俄然ダークなフィルムノワール感。リケジョでサイコパス気味のファムファタールは珍しい。自分を乗せに来る救急車のサイレンを一生で求め続けた究極の音楽だと錯乱する最期が残酷でホラー。親友ホーギーカーマイケルの回想形式になっているがどこかミステリーゾーンっぽくsfっぽい。ドリスデイのレコーディングスタジオに亡霊となって現れ共演するラストシーンはモロ伝奇的。前半のスーパーマンさ後半のニューロティックスリラーっぽさsfチックなフィルムノワールとおもえばそんな破綻ではない。さすが監督フィルムノワールのなんたるかをしりつくしている。
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