微笑

夜の第三部分の微笑のレビュー・感想・評価

夜の第三部分(1972年製作の映画)
3.5
ヨハネの黙示録(恐らく)の引用から始まり、騎兵隊の突撃で日常が崩壊するシークエンス。この時点で示唆的にも程があるのだが、そこからアイデンティティの混同や、贖罪が作劇に織り込まれた上に、過去と現実、幻想と現実を綯い交ぜにしていくせいで、もうこちらとしてはお手上げである。
ハンディカムで疾走するあのズラウスキー特有の撮影は、早くも本作から登場していて、一貫して狂気の作家だったのだなと思う次第。
正直、咀嚼出来ている部分は半分もないが、退廃した街を急ぎ足に行く醜悪な物語はそれだけでロマンを感じる。
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