kurage

活きるのkurageのレビュー・感想・評価

活きる(1994年製作の映画)
-
中国の近代史とともに変わりゆく人間。これは、小さな家族が激動の時代を「活きる」物語。
1940年代に賭け事大好き穀潰しドラ息子・福貴が、賭博に負けて全てを無くしたことで物語は始まる。コン・リーは福貴の妻・家珍役。
時代背景が国共内戦から文化大革命までの激動の30年間なので、人々の生活や精神構造がどのように変化していったのか福貴一家を通してありありと伝わってくる。コン・リーの経年変化が素晴らしい。

文化大革命後に結婚した娘の婿にいうセリフ「お前たちはいい時代に生まれた」に衝撃を受ける。そうか、そうなるか。

影絵芝居と餃子がモチーフのように繰り返し登場。
内戦の地で解放軍に見つかった時、福貴の持っていた影絵が二人を救った。兵士が影絵を光に透かすシーンが印象的。
福貴の人生に大きく関わってきた影絵の終焉が文化やら娘やらいろんなものに重なる。チャン・イーモウのマジックにかかって、画面に釘付け。
ラストカットにしみじみしない訳が無い。
kurage

kurage