ピカソは死の床でモディリアーニとつぶやいたという。
ピカソは現世で成功をおさめたが、モディリアーニは才能がありながら時流に乗れず、数々の名画を残しつつ若くして非業の死をとげる。
しかし死ねばピカソもモディリアーニとつぶやくことになるのだ。
人生における成功とは何なのだろうと思わざるを得ない。
そして、彼の人生の中で燦然と輝くのは、自らの死をもって貫いたジャンヌのモディリアーニへの愛である。
本作で描かれたこの世の営みなどは、何もかも彼女の愛の前では色褪せてしまうのだ。
生きることの意味を問う、苦しい苦しいまさに絵画のごとき名画だ。
決して自己陶酔に堕してはいないと思う。