香

フットルースの香のレビュー・感想・評価

フットルース(1984年製作の映画)
3.8
シカゴから引っ越してきたレンがダンスもロックも禁止された超保守的な街に戸惑い、その環境を打破しようと奮闘する物語。
映画史上最高のオープニングの一つ。これ観て踊りたくならないなんて、ウソでしょ!

牧師の娘・エリエルの行動がぶっ飛んでいて、不良少年の車のガラスを躊躇なくぶち壊す辺りは単なる親への反発心以上の獰猛さを感じる。
この手の作品だと往々にして問題児に描かれがちの主人公・レンは、きちんと町民集会を通して自己主張するような常識人で、顔も良く踊りも上手で、ものすごく応援できる。

前に観たときはレン以外の人々全員がイカれて見えたものだが、今となっては悲劇を防ごうと奮闘する大人たちの気持ちも少しは分かる。
ダンスやロックが若者たちの生活を乱す可能性があるかと言われたら、それは正直YESだと思う。しかし、大人は子どもたちの欲求を単に抑圧するのではなく、今ある文化を受け入れつつ、正しい方向へ導くためにいる。
人々は結局、ダンスすることを、ロックすることを止められないのだから。
香