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切られ与三郎のmitakosamaのレビュー・感想・評価

切られ与三郎(1960年製作の映画)
3.5
スカパーにて。結構ハードな物語展開で、調べたら元々は与話情浮名横櫛』(よわなさけうきなのよこぐし)って歌舞伎の演目だったんだね。
そう考えると、長い演目を95分にと随分コンパクトに編集したんだなと感心した。

雷蔵が江戸の蝋燭問屋の養子・与三郎を演じる。実子が居るので跡目は継げず自暴自棄な性格に。
義妹のお金の想いも届かず、与三郎は木更津に流れて網元・源左衛門の妾・お富と良い仲になっちゃうが、源左衛門にバレてリンチに合い傷まみれに。

この淡路恵子の演じる「お富」って、春日八郎の“お富さん”の事だったのか!!!知らなんだ!!!

与三郎は旅芝居の一座に救われるが、離散後に芸者の桂(玉緒)と再開。妾にされていたヤクザから開放すると約束したけど、身の危険を感じたら速攻裏切られる。玉緒ちゃんヒドい(笑)

江戸に戻ると、蝙蝠安なるチンピラと組んで強請りたかりを生業に。そこでお富と再開。生きていたとはお釈迦様でも知らぬ仏のお富さんだな。
その後、妹のお金が無理矢理嫁がされそうとのことを聞きつけ、妨害工作もさらに追われる身に。
遂にお金と与三郎は心中をする。…という内容。

先ず、歌舞伎が元なので上手く歌舞伎の舞台を演出に取り入れている。
冒頭の舞台袖で与三郎が道楽で三味線を弾いていたシーン。
そして芝居小屋に拾われて、芝居の舞台のシーンとも上手くリンクさせている。

また雷蔵が三味線を引くシーンを弾くシーンが多いし、祭り囃子や宴会のシーンなどで、音楽がとても豊かだ。
そんな演出も話のスピード強化に繋がっているんだろうなーと感心しきりでした。
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