このレビューはネタバレを含みます
初めてロレッタを乗せた赤いジープ、
無茶しすぎやろww
ボヘミアン・ラプソディやエルヴィスのように、上りつめてからの転落が……みたいな展開は無く、トントン拍子と言って差し支えないほど。
でも、そこが凄く良かったなと思う。
カントリーな風景や、シシーの歌声、ロレッタとドゥーリトルの程よい距離感。
それらが相まって、この淡々としたストーリーは、ロードムービーのように爽やかに感じた。
ドゥーリトルが、ロレッタと結婚したいと家族に告げる時にたらい回しにされてるのは笑ったわw
彼は彼でポケットに手を突っ込んで「ロレッタと結婚したいんです」とか言ってるし、夜の夫婦の寝室にまで伝えに行くしさ。
「無茶苦茶や」と思ったけど、ピリピリしながらも都会にない緩やかな雰囲気を感じることができて、どこか愛おしいシーンだった。
両親(特にお父さん)の娘への愛が伝わってきただけに、会えないまま亡くなったのは本当に悲しい。
ロレッタの子供たちも可愛かったねー。
歌いながら畑仕事をするロレッタが、「ママが自分で作ったのよ」と言ったら、「いい歌だわ」だって。
ベティはいつでもママの味方。
なんて良いシーンなんだろう。
ロレッタの恋愛経験は極小なのに、急に大人な恋の歌なんて歌ってる!
……と、思ったらパッツィの曲だった。
ここからロレッタとパッツィの交流が始まるわけだけど、それに伴って良き理解者のドゥーリトルの居場所がジワジワと無くなっていく様子も、なんだか辛かったよね。
でも不思議と、ロレッタとドゥーリトルの関係性がこのまま崩れ果ててしまう心配を感じなかったのは、ドゥーリトルのロレッタに対する愛情ゆえなんだろうなぁ。
火遊びしても手が出ちゃっても、ロレッタへの誠実な愛はこちらにも伝わってきてた。
キャリーや三人の女に続いて、
相変わらず実年齢とは乖離した少女時代まで演じてしまえるシシー。
本当に素晴らしい特色を持った役者さんだよね。