三谷幸喜が監督・脚本を手がけた2001年のコメディ映画で、家を建てる過程における葛藤や対立を描いている。作品の完成度は非常に高く、三谷監督のユーモアとリアリズムがバランスよく融合しており、笑いと共感を味わえる作品。批評家からも好評を受け、家族や人間関係の微妙なニュアンスが軽妙に描写されている。役者陣には、唐沢寿明、田中邦衛、八木亜希子などが出演しており、各キャラクターの個性を活かした演技が光る。特に唐沢寿明は、堅物な建築家の役を自然体で演じ、田中邦衛のユニークな大工役も絶妙。三谷監督の脚本は、テンポが良く、緻密な構成が魅力的で、細かい台詞やシーンの連携が物語の進行をスムーズにし飽きることはない。映像面では、三谷作品らしい独特の色彩や構図が際立ち、家という閉鎖的な空間の中で多様な感情が交差する様子が巧みに表現されている。美術・衣装の細部にもこだわりが感じられ、日本の家庭の雰囲気や生活感がしっかりと再現されている。編集も無駄なく、各シーンがテンポよく繋がっており、一気に引き込まれる。音楽は、シーンに応じた軽快なリズムが物語のテンポを支え、雰囲気を盛り上げている。
作品
監督 (作品の完成度) 三谷幸喜 131×0.715 93.7
①脚本、脚色 (独自性と創造性、洗練されたセリフ) 三谷幸喜 S10×7
②主演 唐沢寿明9×2
③助演(主演以外の役) 田中邦衛 A9×2
④撮影、視覚効果 高間賢治 B8×1
⑤ 美術、衣装デザイン 小川富美夫B8×1
⑥編集 上野聡一
⑦作曲、歌曲 服部隆之 A9×1