カニ

木と市長と文化会館/または七つの偶然のカニのレビュー・感想・評価

-
登場人物一人一人が自分の考えをを持っていて、全員が自分が正しいと思い込んでいるからこそ、それぞれの主張が面白くて聞き入ってしまった。
田舎に文化施設を建てるか建てないかだけの設定でここまで会話や見方のバリエーションがあって、テンポ良い感じに仕上がってるのがすごいし、政治がテーマの映画だけど、権力闘争みたいなところが焦点でなく、庶民の暮らしの中にあるものとして自然に描かれてるのもよかった。

人間が集まって生きている以上、「最善の選択」なんてものは無くて、何かを決断していくときに、「これでよかった」と思い、思いこませないとやっていけないなと思った。


あといずれ無くなってしまうかもしれない風景を写真に残す時に、「写真を撮って何になる?!あとで眺めたら耐えられん、死を写してる気分だ!」と言いながら草原をウロウロするシーンあたりすごく好きだった。
カニ

カニ