ジョン

木と市長と文化会館/または七つの偶然のジョンのレビュー・感想・評価

3.9
文化会館を建設するという市長の意向と、それ対する住民の思惑が7つの章に分けて描かれる。

かなり政治的な内容やけど、そこは流石ロメール。小難しい感じはあまりなく、ウィットに富んだ楽しい会話劇となっている。恋愛の話の方がそりゃ面白いけれど、フランスの景色とフランス人の会話だけで十分魅力的やし、やはりその"フランス感"がロメール映画の醍醐味なのだと思う。

本作でも重要な鍵となる"偶然"。偶然が重なり、教師の娘と市長が相対する、あのマジカルな瞬間。この二人の会話が最高すぎる。
そして、ラストは謎に皆が歌う。思わぬ角度で映画を締めようとしてきたからちょっとビックリしたけど、しかし素敵なラスト〜!

"死刑は廃止すべきだ 建築家は除いて"は金言。
ジョン

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