故郷に程近い街に想いを馳せて。
能登の海ってすごく青くて美しいのだけど、日本海はやはり突き放すような冷たい瞬間とか、荒波とともに襲いかかってくるような猛々しさを感じる。
柔らかい光の中で撮られた朝市が今はないのかと頭では想像しても中々理解できなかった。
方言が不自然で長尺カットが非常に多く歪さもあるけれど、ずっと眺めていたくなるようなぼんやり視線の先にある景色、という撮り方が印象的だった。あと、田んぼに映る景色、水鏡のカットが心に残っている。
いつかあの場所に電車で行ってみたいなと思った。
昨今の同監督の作品の雰囲気とは全く違うけれど、音楽の使い方は変わらずうってなる(良い意味で)。
トンネルを子供達が駆け抜ける、その先にひしめく嘘みたいな輝き、「怪物」ではセルフオマージュしたのだろうか。