ラルジャンの桑畑四十郎のレビュー・感想・評価

人間とは何者であるか？その真実に限りなく近い答えがこの作品にある。それをわずか90分足らずで描き出し、余計なところが無い上に足りないところが一つとして無い。極限までに抑制されたカット、台詞、音響、演技はまさに映画(シネマトグラフ)でしかない表現の完成系だとも思う。巨匠ロベールブレッソン監督82歳の作品にして遺作でもある今作は、その枯れた年齢とは逆行するかのような瑞々しく新鮮なエネルギーに溢れている。映画から面白い以外の何かを求める映画好きで未見の方ならば必ず心に響く作品だと思います。

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