たつ

ラルジャンのたつのレビュー・感想・評価

ラルジャン(1983年製作の映画)
4.7
傑作。
モノを得る手段として価値の高い紙幣の「偽札」によって、ドミノ倒しのように悲劇的に転げ落ちていく。
偶然と偶然の重なりによってどんどん悲劇的になっていく様子は少し『マジカル・ガール』っぽいがバタフライエフェクトとも言える。

長回しと固定カメラの連続でとても好きだったし、演技ではなく"人の行動"だった。見せない所を弁えてるような編集も好きだった、映像はこちら側で補完するというか。カットとカットの連続で「こうなるでしょう」という、まあ少しリテラシーが求められるが、示唆的なカットと動作が面白かった。だから無駄を一切感じなかったな、洗練してるからなかなか難しかったし集中を続けなきゃ行けないのが少し苦悶だったけども。

感情的な所は割と排されてるのでだから、演技ではないんだが面白いんだよ。過程をカットされてるので因果のみで構成されてる感じはする。

吠える犬、刑務所の中での暴動、強盗のところも暴力的な所はわざと見せてないけれどそれが徹底されてるので「見せてくれよ!」とは全く思わなかった
たつ

たつ