たつさんの映画レビュー・感想・評価

たつ

たつ

デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

4.2

素晴らしい映画。FOXがMARVELが映画の都合的にMCUの世界から消し去ってきたものたちの骸をしっかり拾う愛あるネタにして消化する、虚無の世界にデカデカのフォックスロゴ。

不死身のふたりがマッドマ
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.8

見ました。恐怖演出の質がどうこうじゃなくて、純粋に回数が少ないです。

死者は同じ時間を繰り返す怪談的恐怖表現は良かったんですが、話の焦点が「この子はなぜ幽霊になったのか」になってて、そのアプローチは
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夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

4.0

コロナ禍における貧困、職場難、父権的な会社。少し詰め込みすぎて、ドキュメンタリーなら理解できるがと言った感じ。現実的な問題を直球的に描くならば、ドラマな主人公がいるのかどうか。

コロナ禍故にホームレ
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.4

凄い。オマハビーチに連れてかれ、凄惨な戦禍を眼前に晒される。ハンディカム、音響全てが現実を喚起させる装置として機能する。後半も戦争の中にヒューマニズム溢れるコミュニティが見つけられる。

元教師が、戦
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レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

4.2

とにかく純粋な冒険活劇として面白い。徹頭徹尾、アクションによる編集が上手く、空間構築がとにかく綺麗。

ナチスに宝物を奪わせない、ナチスがその宝物によって溶けていく。インディがテンポよく難所を切り抜け
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オール・ザ・キングスメン(1949年製作の映画)

4.3

面白い。とある新聞記者は、地方の腐った政治を訴え選挙を行っているスタークという男のもとを訪ねた。スタークは落選するも徐々に人気を得始め、裏取引に手を染めながらも知事の地位に着く。

反権力を謳いながら
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M(1931年製作の映画)

4.4

素晴らしく面白い。子供が次々に行方不明となり殺される、警察は捜査に難航、地元のギャングは厳しい捜査体制によって商売あがったり。警察の捜査体制は戒厳令、全体主義のよう。

とにかく音が今作の中心、犯人の
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三茶のポルターガイスト(2022年製作の映画)

3.8

残念ながら面白くなかった。ヤラセにしても面白くないので、角さんが普段見せてくれる映像の方が怖いんだよね

SF/ボディ・スナッチャー(1978年製作の映画)

4.3

面白い。繭から現れ人間に化けるサヤ人間、感情を見せずに集団で動く、ドン・シーゲル版よりもグロテスクでサヤ人間たちの不気味さが光る。

赤狩り的な要素が薄れてどちらかと言うと時代的にも、ロボトミー手術の
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.3

乱暴に操作を行う刑事、麻薬売人、オヤジ狩り、ドライな狂気と暴力。血に塗れた暴力シーンと北野武がただ歩くだけのシーンの緩急が怖くもあり飽きない。

カットを割らない、生の暴力しかここには無い。明らかにリ
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裏窓(1954年製作の映画)

4.4

面白い。足を骨折して窓を見ることしか出来ない記者、窓から住宅を見ていると少しづつ異常を感じていく。見る欲求に侵され、匿名性を守りたがる男が凄く卑しい。

動けない、窓を見る、何かを感じるという単純な要
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

4.1

面白い。死後から3年死んだ夫が帰ってきた、3年間過ごしてきた所を妻に紹介したいと。死んだ人間たちが人間のように過ごしている、残された者の未練と共に現れフラっと消えていく。

あの世である彼岸とこの世で
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A.I.(2001年製作の映画)

4.4

怖い。感動するが悲しい。デイヴィッドはモニカに会って愛されることを求めて旅をするが、結局は自分より高度な人工知能による投影劇場に喜ぶだけ。

コミュニケーションしているようで、互いに一方的。人間とメカ
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アシスタント(2019年製作の映画)

4.3

面白い。新卒で一流大学を卒業し映画業界に就職するも、清掃にボスの奥さんの機嫌取り、映画に関わる仕事なんかやらせて貰えない。すると若い未経験な女性が給仕として職場に現れ、フラストレーションは暴走する。>>続きを読む

蛇の道(2024年製作の映画)

4.2

面白いがかなり説明的。大まかな流れはオリジナルと同様、復讐が目的化し虚構と現実の狭間を行ったり来たりし、変な所へ連れてかれる。空間の向こうから覗き見するようなカットは健在。

アナログとデジタルの狭間
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親切なクムジャさん(2005年製作の映画)

4.1

面白い。美しい女性クムジャが幼女誘拐・殺人の罪で服役していた、彼女は冤罪でチェ・ミンシクに脅されて、罪を認める形となった。

復讐をしたところで得れるものは無い、という突き放し。美魔女的なクムジャさん
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江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

4.5

超面白い。戦後で低月給だが平凡な家庭を持ち、平凡に働き、呑んだくれるサラリーマン、経済的には厳しいが中流階級。

父が実業家で金持ちだったが、それは戦争による特需だった。戦前・戦中・戦後の経済かつ社会
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世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)

4.0

フェリーニの回が『マーダーライドショー』のジェットコースターみたいな奇妙なドライブてそこだけ良かった

石の微笑(2004年製作の映画)

4.2

怖い。シングルマザーの家庭、冴えない長男と妹2人の家庭、妹の結婚式でセンタという女性に出会う。センタは長男フィリップに愛の証明を求める。

詩を作れ、木を植えろ、同性と成功しろ、殺人を犯せ。センタとい
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ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖(1973年製作の映画)

4.1

面白い。とある一家で男が妻を殺し家に放火する事件が勃発。生物兵器が流出し水源汚染で住民が発狂。政府は事態を恐れて軍によるロックダウンを行う。

軍は権力によって民衆を抑圧、民衆は訳のない圧政に銃撃で反
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JSA(2000年製作の映画)

4.2

面白い。南北の境界線、共同警備区間であるJSAで韓国兵士が北朝鮮の将校と兵士を殺害した事件が勃発、双方の供述は異なり、中立の委員会が捜査することに。

元々は同じ祖国なのに、ボーダーとイデオロギーで敵
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ミクロの決死圏(1966年製作の映画)

4.2

面白い。ミクロ技術の開発に成功したものの、1時間で元に戻ってしまう。ミクロの延長技術を手にした科学者がいたが、脳出血で倒れてしまう。手術のためにミクロ化して体内に潜り治すことに。

いわゆる人体破壊描
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ダークマン(1990年製作の映画)

4.2

かなり面白い。ギャングに襲われ顔を失った男、人工皮膚によって顔を作るも光の下では99分間しか保てない。彼女を守るため、ギャングへの復讐に手を染めていく。

アイデンティティを失い、新たにアイデンティテ
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東京自転車節(2021年製作の映画)

4.4

怖い。コロナ禍直撃の東京主軸の日本。田舎に仕事はなく上京、コロナ禍東京のウーバーイーツは需要が高い。タピオカひとつのために自転車を漕ぐ、という割には給料は低い。奨学金は500万。

コロナ禍ってなんだ
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戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

4.4

傑作。ポチョムキン号で乗組員たちがウジの湧いた腐った肉に怒り反乱を起こす。しかし船長はそれを銃によって弾圧、水兵のリーダーが殺され、その噂は街まで伝播。

帝政を撃破しろ!圧政者を倒せ!とオデッサの市
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普通の人々(1980年製作の映画)

4.3

事故によって亡くなった兄、生き残った弟。家族にある一緒に生きなければいけない呪いと、母の寛大な愛の虚構性を描いた秀作。

ショックから自殺未遂した弟、同じく病院にいたカレン。慢性的な自殺欲求と、自殺欲
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機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

4.5

傑作。PKOで東南アジアに出動した自衛隊、交戦許可は得られないため壊滅。太平洋戦争の敗戦、朝鮮戦争による経済成長、全てが因果によって結ばれる。

戦後60年、戦争は遠い過去のもの、現在は平和。自衛隊が
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ソルジャーブルー(1970年製作の映画)

3.9

面白いけれど、インパクトは薄いと思う。アメリカの黒歴史とも言える、ネイティブアメリカン(インディアン)虐殺。男女のロードムービーのラストに惨劇。

ただ最もsavageな映画かと言われると、そうかな?
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イントレランス(1916年製作の映画)

4.5

これは凄い。とにかくバビロンの造形、映像の勢いが凄すぎる。警察の銃撃、ストライキ、キリストの磔刑、などあらゆる怒りや不寛容、つまりIntorelanceで不幸を招いてしまう。

映画の原初、「動く写真
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裸のキッス(1964年製作の映画)

4.3

変な映画だけど硬派。やはり冒頭が強烈すぎるな、なんか事故映像を見ちゃったような気になる急な坊主。娼婦がとにかく怒る

小児性愛者と同じ「変態」とレッテルを貼られる娼婦。少し『タクシードライバー』的、蔑
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悪魔のシスター(1973年製作の映画)

4.1

面白いけど凄い既視感。冒頭のピーピングトムのテレビ番組、キャッチーで嫌で面白い。男性が殺されて、それを目撃していた記者が調査する。

スプリットスクリーンによって2者の視点を入れるのは良い。オチは知ら
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ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

4.3

面白い。男性の性的解放、性欲の強さはかなり普遍的。に対して女性の性の奔放さは「変態」または罪悪感を感じるもの。この話の主人公が男であれば物語性は特にない。

ラストのスカルスガルドが最悪すぎる。男の気
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ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956年製作の映画)

4.3

傑作。蝋人形のような人間と同じ顔をした、愛の知らない生命体がやってきた。彼らの侵略に気づいた男が恐怖に慄く。

近くに忍び寄る共産主義の恐怖を描きつつ、共産主義を弾圧する反赤狩り的にも見える。相反する
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歓びの毒牙(きば)(1969年製作の映画)

4.2

面白い。真っ直ぐなジャッロ、黒い影に突き立てるナイフ、女性ばかりを狙う殺人鬼。ガラス越しに殺人現場を見ていたトニー・ムサンテが事件の謎を追う。ただガラス張りのところで殺人をするというのがそもそも罠>>続きを読む

東京の宿(1935年製作の映画)

3.9

犬を見て40銭だ!とかいう時代の貧しさと来たらこりゃないね

去年の夏 突然に(1959年製作の映画)

4.4

面白い会話劇サスペンス。去年の夏に旅行中に亡くなった男、彼の母は同行していた妻に怒りを覚える。所謂「信頼できない語り手」映画なんだけど、単純では無い。妻の記憶が一部分失っているけど何か真実を知ってる。>>続きを読む