音がやばい。
テーブルから雪崩れ落ちる食器が割れる音、放り投げられた杓子の転がる音、金属製のコップを床に押し付け擦る音、脱獄を知らせる警告のサイレン、ビンタ、ピアノの縁に置かれたワイングラスが落ちて割れる音、洗濯物ゴシゴシ、などなど。
この映画で聴くとどれも妙に不快さが際立ってるように感じる。
銀行強盗も脱獄もATM襲撃もビンタも殺人も、決定的な瞬間を見せずに、音声や物を映した画面で示される。
蓮實重彦『ショットとは何か 実践編』所収の「緋色の襞に導かれて ロベール・ブレッソンの『ラルジャン』」がめちゃくちゃ面白い。