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戦場のメリークリスマスのchaooonのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
3.7
大島渚監督のあまりに有名な代表作を初鑑賞。
現在上映中の4K修復版をホントなら観に行きたいところだけど、そこまで手が回らなそうなので、配信版でとりあえず我慢。
(4K版のポスターデザインの方が好きだからそちらにレビューしたかったけど🥺)

1942年、ジャワの日本軍俘虜収容所を舞台にして、日本軍人と英国人捕虜に芽生える複雑な感情や関係を描く。

何より注目なのは、キャスト✨
デヴィッド・ボウイに坂本龍一、北野武✨
そしてさりげなく内田裕也😇

坂本龍一に関してはあの有名なテーマ曲”Merry Christmas Mr. Lawrence♬”作曲も兼任してるから、才能が眩しい✨
この曲が作品全体を美しく包んでいる🥺♬
主演2人(ついでに内田裕也)が本業がミュージシャンというのも、なんだかキャスティングに情緒があるなぁ。
劇中、「歌」というものの扱いも特別感があったし。

戦時中の俘虜という立場だが、デヴィッド・ボウイの輝きが一際輝く✨
歌う場面はないけれど、彼の発する言葉一つ一つに何か不思議な響き合いがある♬

坂本龍一は決して演技が上手い感じではないけど、立ち姿とかの佇まいが美しくて、それだけでなんかいいなと思えた。
あの時代の日本の軍服のデザインあまり好きだと思ったことないけど、坂本龍一だけはなんかかっこよく着こなしているな😇

世界の北野はやはり存在感が素晴らしい✨
ラストもすごく目と耳に焼き付く。

戦闘シーンはないし、戦場から切り離された俘虜収容所という不思議な空間で繰り広げられる人間模様。
それでも間違いなく戦争の歪さと人間の愚かしさ、それによって生まれる悲劇を感じた。

どうあっても禁忌とされる中で生まれる感情、衝動。
時代、戦時中の戦場、閉鎖された空間、人種の壁、宗教の壁、男同士、敵同士。
それは友情なのか、憐れみなのか、憧憬なのか。
それとも愛情に似たものだったのか。
結局は人間同士で、そこに芽生えてしまう感情に蓋はできない。
時と場所や立場が違っていたら…と感じずにはいられない、傷ましさと美しさを感じる。
美しく感じてしまったのは、多分あの曲せいかな。

約30年前の戦争映画なのに、明確な描き方ではないにしてもLGBTQの匂いを感じさせるとこは、当時はすごい話題になったんだろうな〜と思った🤔
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