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『皆殺しのシンフォニー』に投稿された感想・評価

 本作にはフランス語の原作があるそうであるが、筆者には読めないので、本作のストーリー内容とは比較できないが、脚本には、三人の名だたる名前が挙がっている。

 まず、一人目は監督自身のJacques Derayジャック・ドゥレーである。彼は、日本では、1970年作の映画『ボルサリーノ』の監督としてよく知られているであろう。この映画は、1930年代のマルセイユを舞台として、ジャン=ポール・ベルモンドとアラン・ドゥロンのチンピラが裏社会の大物になろうとする姿を描く。J.ドゥレーは、「フランス映画界のヒッチコック」と言われ、主に犯罪映画を手掛けた監督であった。

 二人目は、Claude Sautetクロード・ソテーである。彼は、1970年代以降は、フランス社会のブルジョワ中間上層階層の姿に焦点を当てて、フランス映画らしい人間の心理の機微を繊細に描いた監督して名を成すことになる。また、1970年代には、西ドイツからフランスに移住して性格俳優となったRomy Schneiderローミー・シュナイダーと共作して、五本の作品を撮っている。『過ぎ去りし日の・・・』(1970年作)、『夕なぎ』(1972年)、『ありふれた愛のストーリー』(1978年)などである。しかし、1970年以前は、むしろ、犯罪映画ジャンルに関わって、脚本を書いたり、監督したりしていた映画人である。本作も、この関連で、監督J.ドゥレーに協力したものと思われる。

 そして、三人目が、むしろ脚本化の主役を担った人物たるJosé Giovanniジョゼ・ジョヴァンニである。彼は、基本的には小説家であり、それに、脚本家も兼ね、場合によっては、監督としても活動した人物である。2004年に享年80歳で亡くなるまで、ウィキペディアによると、小説20冊、回想録二冊、脚本33本、映画15本を発表するという多作家であった。アラン・ドゥロンとリーノ・ヴァンテュラ主演の映画『冒険者たち』(1967年作)の同名の原作を提供しているのも、このJ.ジョヴァンニである。

 1923年にパリで生まれたJ.ジョヴァンニは、ウィキペディアの記述が正しければ、実は、以下のような人生の前半を歩んだ人物である:

「戦時中から犯罪組織と関係し、かつファシスト政党フランス人民党に所属、ゲシュタポ協力者であった。誘拐や盗みなどを犯す。終戦直後、少なくとも3件の強盗殺人に関与し、死刑を宣告されるが、大統領恩赦を受けてまぬがれる。1956年に出所。」

 つまり、彼の作品には自分の犯罪者としての体験が、色濃く反映されており、そう考えると、本作における「虐殺」のストーリーにも、一人一人と仲間を冷血に殺害していく人物像に何か実感が籠ってくるであろう。尚、本作では、現金の運び役のMoreauモローとしても一役を演じている。
脚本はジョゼ・ジョヴァンニとクロード・ソーテ。ジャック・ドレーの脚本監督作品。麻薬買い付け資金をめぐる5人の殺し合い。ジョゼ・ジョヴァンニも出演。ドレーは、次の「ある晴れた朝突然に」が素晴らしい出来。