めがねちゃん

卵のめがねちゃんのレビュー・感想・評価

(2007年製作の映画)
4.0
概して、人々が何を考えているのか、本当のところ、わからない。寡黙な詩人が相手ならば尚のことそうであろうし、そうであるべきだろう。ときおり見せる、ユスフの笑顔や涙がいったいどの泉から湧き出てきたものなのか、私たちは想像することしかできない。しかし、それは徴であり、その背後には彼の記憶の彼岸が存していることを知らせてくれる。

ある系列の最後に訪れるもの(そしてまたそこから何かが始まるもの)を、我々は「結果」や「帰結」と呼ぶ。卵もまた、ある種の始まりでありながら、結果なのである。だからこそ、この作品が三部作の最初でありうる。われわれは結果から、深い深い理由の深淵へと降りてゆく。
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