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魔 デビルズ・オーメンのizuのレビュー・感想・評価

魔 デビルズ・オーメン(1983年製作の映画)
5.0
満点満点。

香港とか関係無しにカルト映画の頂点だと思います。今までハンガーで堕胎させる映画とか抉り出したはらわたを口に突っ込んでゲロ吐かせて殺す映画とか大腸ウォータースライダーして虹色のウンコとして排泄される映画とか色々観てきたけど過去イチでぶっ飛んでるしそういう描写ありの映画で過去イチで面白い。

キックボクシングの試合中に相手のタイ人ボクサーの反則により首の骨を折り一生の障害を負わされた弟。当然激オコで香港からタイまで飛んでいく兄のチャン・ホンだったが、最近ちらほらと見ていた僧の幻覚と合致する寺を発見。そこの寺にて、その僧が即身仏になりかけ中にある呪術師に邪魔され、その呪術師の邪術を解かねば僧は即身仏にはなれないらしい。さらに、主人公チャン・ホンはその僧と前世で双子だったらしく、その邪術を解かねばチャン・ホンも呪術師の術により死んでしまうらしい。「な~に言ってんだか。人違いですよ~」なチャン・ホンはそのままスルーしその夜のホテルにて、口からウツボが出てしまった為、悪しき呪術師を倒す為僧として修行を重ねる…というストーリー。(?)

香港カルト映画の頂点として君臨するガチ・ヤバ・マジキチ・香港カルトホラー。
思っていた以上に内容があるというか、あらすじからしてもう訳の分からない感じがあるのに、今何をしていて、今何が起きているのか意外と分かるというすごみ。いや、正確に言うと何をしてるか分からないんだけど、文字には書き起こせるみたいな…

とにかく凄まじいのが映像の狂気性と派手さ、それに伴う新鮮さと面白さ。
人間、ここまで意味の分からないモノを堂々と見せつけられてしまうとぽかーんと口の開いたような気分で不思議と魅入ってしまうんだなという事を実感。

映画としてシンプルにテンポ良いのがヤバい。この手の映画って大体映像は凄まじいのがあるけど、その時以外は面白くもないしストーリーもないし~で中だるみしてしまう事が多いのだけど、圧倒的映像による圧。ストーリーなど気にもさせない、次から次へと来る映像の圧にまぢ、圧倒。

呪術師は謎の壺から取り出したグチャドロの頭蓋骨の頭部にある脳みそのエキスを召喚したクモに吸わせ能力を授ける。
ワニの頭蓋骨に術をかけ一人でに動かし、頭だけのエイリアンみたいなのも召喚しチャン・ホンと戦う。意外にもチャン・ホン強いのがじわる。
呪術により動く’’物’’の造形がいちいち良くて、こういう造形エイリアンとか好きだったりする人の心も鷲掴みにすれば、ただ単にキモいものを観たい人の心だって掴んで離さない。

中盤からある理由があって怪しいおっさん達がワニを殺して臓器を抉りだすシーンがあるんだけど、吐いたゲロの口移しだとか、臓器全て抉り取ったワニの体に死体を入れて儀式だとかあった中、儀式後取り出した死体が超絶大量の蛆虫に包まれている....というCorpseなんとかManiaで見たサイテー蛆死体があったりと色々もう最高。「うわキモ!」とか「何をしてるの...?」が途切れない。

そんな中、蛆大好きな私でもガチドン引きした描写がありまして.....映像耐性は中々強い自信があったのだけど、’’目の中が全て蛆虫’’みたいな描写で一瞬でトリハダやられました。その後も目から蛆虫がポロポロするしで、どこまでも無限にキチガイ。

いやもう本当に...何を食べて何をして生きていたらこんな映画が撮れるのか。ある程度のプロットを決め、そこから自分の頭の中で浮かび上がったアイデアを片っ端から映像化したみたいなキチガイの羅列。
キチガイがキチガイ(自分)の頭の中を節度無く映像化したらこうなるの体現。

ホンモノは「目に針を刺す」のではなく、「目から針が飛び出る」なのマジで勉強になります.....
チホ様、本当に素晴らしい映像と新鮮すぎるシンプルな嫌悪をありがとう...これを日本に流してくれたShaw Brothers、本当にありがとう.....。来世でもまたこの映画に巡り合いたい。チホチホ

視聴 2024年4月27日
izu

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