花とみつばち

心の花とみつばちのレビュー・感想・評価

(1973年製作の映画)
5.0
夏目漱石「 こころ 」を脚本新藤兼人で現在に置き換えて描いている。
当時 29 歳の主演松橋登の美しさが素晴らしく、崇拝に値する。
清潔感のある顔立ちとパリッとしたシャツと下駄の出で立ち。21、22 歳ぐらいに見える。
格子戸のある美しい日本家屋、そこで下宿する K 。ここの娘の I 子が美しく結婚したい胸を親友に出し抜いて権利を得る。そうなる事を見抜いていた様に、すべてを見透かす女主人である I 子の母親。女主人の乙羽信子の演技がキリッとしていて、サスペンスじゃないのにドキドキして心理描写がおもしろい。
結局、親友を出し抜いた事に良心の呵責に苦しむ K 。
和風な舞台、モダンなトランペットとベートーヴェンの月光、「 裏切り 」という人間の醜い感情を最高に美しく描かれている。
花とみつばち

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