Aika

狂った果実のAikaのレビュー・感想・評価

狂った果実(1956年製作の映画)
3.8
初の太陽族映画&石原裕次郎。

ぼんぼんでお金も自由もあるけど不満のぶつけどころがなく、無秩序で享楽的な生活を送る兄と、そんな兄を慕いながらも奥手で真面目な弟。

正反対のふたりだけど、惹かれた女性はひとり。
歪な三角関係。弟の純粋な恋心、兄の嫉妬と彼女の秘密。

裕次郎の日本人離れした体型と甘い歌声も素敵だったけど、彼を狂わせるファムファタール北原三枝の美しさよ…!一周回って今どきの太眉に魔性の宿った瞳。同性の私でもくらっくらした。彼女が後の裕次郎妻とは実生活でも彼を魅了したんですね、わかります。

そして岡田真澄様。あの景品は何回射的当てればもらえますか?(真顔)
私あまり焼酎得意じゃないけど、あのビューティフェイスで「焼酎、ある?」なんてオーダーされたら、今夜は焼酎一択だ!
そんな真澄様のWiki読んでたらあのヴィスコンティの「山猫」の出演依頼を断ったってほんと?すごくない?
あの超絶イケメンアラン・眼帯・ドロンに、マスミ・眼帯・オカダが重なっていく…!!あああぁどちらも完璧なる美!!

そんなキャスト萌えもありながら、どこか日本版ヌーヴェルヴァーグのような魅力のある作品。
ラストの空撮の美しさと微妙な間に酔う。弟の心は水面の渦となり深く海に沈む。
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