いろどり

キンスキー、我が最愛の敵のいろどりのレビュー・感想・評価

キンスキー、我が最愛の敵(1999年製作の映画)
4.0
クラウス・キンスキーは本当にヤバい人だった。狂気とかイカれてるとかも、社会の中でおさまるものならかわいいもの。でもキンスキーは犯罪者、、、
完全にアウトな人物。

エキストラの頭をかち割ったり、発砲して指をなくさせてしまうとか、これが許される社会だったというのが恐ろしい。

今作にはキンスキーのキレている映像がしっかり残っていてキンスキーの発作(?)の様子を見ることができる。

一緒に仕事するのは一苦労だなあ。

「フィツカラルド」のロケで、原住民がヘルツォークのために本気でキンスキーを殺そうとしたというエピソードに、キンスキーの異常性とヘルツォークの人間的魅力が垣間見える。
やっぱりヘルツォークのが一枚上手。

それでもヘルツォークはキンスキーを撮るし、キンスキーはヘルツォークに撮られる。

好きか嫌いか、そんな単純なもんじゃない。魂が共鳴してしまった、とでもいったらいいのか。

本能的に求めあい補いあい反発しあう。

認めているからこそ、ときには本気で殺したいと思う。

このタイトルは二人の愛憎入り交じる絆を感じられて好き。

二人がお互いを讃えあっているときの笑顔が良かった。
スクリーンでは険しい顔ばかりなのでキンスキーの笑顔を見ると嬉しい気持ちになる私がいる。
クラウス・キンスキーから目が離せない。

ヘルツォークは長生きしてね。
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