クラウス・キンスキーは本当にヤバい人だった。狂気とかイカれてるとかも、社会の中でおさまるものならかわいいもの。でもキンスキーは犯罪者、、、
完全にアウトな人物。
エキストラの頭をかち割ったり、発砲して指をなくさせてしまうとか、これが許される社会だったというのが恐ろしい。
今作にはキンスキーのキレている映像がしっかり残っていてキンスキーの発作(?)の様子を見ることができる。
一緒に仕事するのは一苦労だなあ。
「フィツカラルド」のロケで、原住民がヘルツォークのために本気でキンスキーを殺そうとしたというエピソードに、キンスキーの異常性とヘルツォークの人間的魅力が垣間見える。
やっぱりヘルツォークのが一枚上手。
それでもヘルツォークはキンスキーを撮るし、キンスキーはヘルツォークに撮られる。
好きか嫌いか、そんな単純なもんじゃない。魂が共鳴してしまった、とでもいったらいいのか。
本能的に求めあい補いあい反発しあう。
認めているからこそ、ときには本気で殺したいと思う。
このタイトルは二人の愛憎入り交じる絆を感じられて好き。
二人がお互いを讃えあっているときの笑顔が良かった。
スクリーンでは険しい顔ばかりなのでキンスキーの笑顔を見ると嬉しい気持ちになる私がいる。
クラウス・キンスキーから目が離せない。
ヘルツォークは長生きしてね。