ゴン吉

大脱獄のゴン吉のレビュー・感想・評価

大脱獄(1975年製作の映画)
3.9
強盗殺人罪をきせられて死刑判決を受けた男の復讐劇。
高倉健が主演、ヒロインを木の実ナナが演じ、菅原文太、郷えい治、田中邦衛、伊藤辰夫、室田日出男らが共演。

梢一郎(高倉健)は、剛田(田中邦衛)に誘われて銀行強盗に加わるが、剛田は殺人まで犯したうえすべての罪を梢に着せて自分は罪を逃れる。
梢は死刑判決を受け、網走刑務所に入るが、吹雪が舞う夜に他の死刑囚とともに7人で脱獄する。
梢は、逃走中に吹雪の中で動けなくなっていた女性(木の実ナナ)を助け、旅館に運び込むが、そこで警官に包囲される。
その一方で、剛田たちが自分の妹や息子までも事故に見せかけて殺したことを知り、復讐を決意する……

7人の脱獄囚が皆凶悪犯で、吹雪で前がよく見えない中で、それぞれ向かう方向が異なり、結末が興味深い。
逃走中に強盗に入り、主義主張が異なり対立する者、仲間の食料や防寒着を奪って生き延びようとする者、刑務所の外でご来光を浴びながら死を迎えたい者など様々な人間模様が繰り広げられる。
そんな中で旅の中で高倉健演じる梢は自分を罠にはめた剛田を探しに函館に向かう。
道中で出会った女とは、心の交流を描いているが、旅館での警官の踏み込みの場面は盛り上がるものの、ストーリー展開には直接関わらない。
エンディングも含めて折角のヒロインの存在感が薄いのが残念。
ラストは切なく幕を閉じる。 

2022.3 BS日テレで鑑賞
ゴン吉

ゴン吉