落ち目の劇作家のシドニー。彼の教え子であるクリフォードが書いた作品を読み、その素晴らしさに感激する。やがてシドニーはクリフォードを殺害して原稿を奪おうと画策する。妻のマイラの猛反対を押して殺人計画を実行しようとするサスペンス映画。
なかなか面白いと評判を聞いていて鑑賞。その評判通り。教え子の才能に嫉妬し、彼を殺してまだ世に出ていないその作品を自分のものにしようとするシドニー。その野望を知り夫の蛮行を止めようとするマイラ。何も知らずにシドニーの家を訪れるクリフォード。
これは前半ですが、ここから先は何も言わない方が良いですね。中盤での展開は完全に予想外。不意を突かれた気になりました。まさかそう来るかと。そしてまさかの人物がキーパーソンになる事も。
とにかくシドニーを演じる名優マイケル・ケインのキレ演技は最高。ヒステリックに騒ぐマイラ役のダイアン・キャノンの姿も見どころ。そしてクリフォードにはクリストファー・リーヴ。キャストの力量の凄さは本作の真骨頂。
終盤の演出はちょっとベタな感じはしましたが、文字通り二転三転するストーリー展開を編み出して面白味のある仕上がりになっていたのは、やはりシドニー・ルメット監督の手腕によるもの。
タイトルの通り「死の罠」をくぐり抜けるのは誰なのか。ご覧になろうと思う方は大まかなストーリーだけ頭に入れておく事をお勧めします。
