冷蔵庫とプリンター

ナッシュビルの冷蔵庫とプリンターのレビュー・感想・評価

ナッシュビル(1975年製作の映画)
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 大統領予備選が繰り広げられるテネシー州ナッシュビルが舞台の群像劇で、映画における音とカントリーミュージックの魅力を再発見できる名作。
 登場人物が終始ずっと歌っているが、本編が進むにつれ、まるで何があっても歌い続けなければいけないかのような強迫症的な様相を呈すようになるのが面白く、困難な状況の中でなぜ人々は歌うのかについて考えさせられる。
 映画史的に言えば、ノイズキャンセリング型の録音をメインとした従来のハリウッド映画から一転、外音取り込み型の音響、すなわち台詞が重なるノイジーな会話シーンがロバート・アルトマンの革新性らしいが、字幕は全ての会話を拾えないので凄さがあんまりわからないのが惜しい。