南森まち

波止場の南森まちのレビュー・感想・評価

波止場(1954年製作の映画)
3.1
ニューヨークの港湾労働者が主人公。彼はギャング幹部である実兄の命令で、意図せず殺人の手引きをしてしまう。その後彼の葬儀で、死んだ男の妹が自分の幼なじみだった事を知る。彼女と交流を深め、次第に惹かれていく。そんな中、港湾ギャングに対抗しようとする動きが起こり始める…いうお話。

70年前の作品だけあって、ストーリーは超王道展開。設定だけで展開がある程度予想できてしまう。
また、ツッコミどころもたくさんある。港湾ギャングが法廷で裁かれるくらいで大人しくならんだろ…とか、ギャング幹部の兄貴の指令に従って「まさか人を殺すとは思わなかった!」はないだろ…等、色々ツッコミどころもある。これまでお前どうやって暮らしてたんだよ。

…って言わせてしまうくらい、集中できました。こういうことを70年前の作品に言うのは本当にわたしは野暮です!ご勘弁を。

しかし、派手なアクションこそないが、労働者集めを仕切るヤクザ(どの国も一緒だな…)と労働者たちの奮闘に、恋愛をひとつまみ入れた物語をわずか108分で見られるのは良い。まさに、ムダなシーンのまったくない良作。
こういう見事な王道作品が、のちの映画に影響を与えてきたんだなぁ。