キャサリン子

バーバー吉野のキャサリン子のレビュー・感想・評価

バーバー吉野(2003年製作の映画)
3.5
山間の小さな田舎町。男の子たちの髪形は、“バーバー吉野”のおばちゃん(もたいまさこ)が切る“吉野ガリ”に統一するのが慣わしだった。
それを疑問に思う者は誰一人いなかったが、東京から茶髪の転校生がやって来たことで事態は一変する。

町中の少年が同じ髪形をしている田舎町で起きる騒動を軸に、初恋や性の目覚め、大人への反抗心など思春期を迎える少年たちのささやかや成長をユーモラスに描いた青春ドラマ。


もたいまさこみたいな口うるさい近所のおばさん、いるよね〜(笑)
「代々地域のこどもたちを守ってる」って言ってるけど、余計なお節介だしありがた迷惑なんだよなぁ〜💦

けど、彼女は彼女なりに子どもたちの安全を真剣に考えているんだよね。
だから一概に彼女を悪く言えない部分もある。
事件や犯罪を未然に防げない背景には、地域やそこで暮らす人々に関心が無くなっている昨今の社会構造が大きく関わっているし。

だからといって吉野のおばちゃんの強引なやり方は良くない(笑)
自我を抑圧された子どもたちは、その不満を良からぬところで発散しようとしてしまう傾向にあるし、それぞれの主張も“個性”として受け入れてあげないと、自己肯定感の低い大人になってしまうから。


めずらしく、もたいまさこさんにイラッとさせられる映画でしたが、観終わったあとはほのぼのした余韻が残る作品でした。
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