ハロルドは国税庁の監査官。毎日同じ時間に起き、同じ回数歯を磨き、同じバスに乗って会社に行く。会社の中でも毎日のルーティンワークは同じ。
しかし、そんな彼に異変が。
彼の行動、思考を何一つこぼさずに全て読み上げる、まるで小説の三人称の語り手の様な声が、突然聞こえ始めたのだ。
ただでさえうるさいのに、その声はとうとう、
「このささいな行為が死を招こうとは…、彼は知る由もなかった」と言いだした。
ええ!、俺、死ぬの!?????
聞き捨てならない事態に何とかしようと思ったハロルドは、結局大学の文学教授の下に辿りつき、彼のアドバイス通りにやってみる事にする。
設定がSF的というか、実験的で面白い。
しかし、ハロルドが自分自身の「内なる声」に気付くのは、他人のアドバイス通りに行動して…なのだ。
結局、あまり自主性がない人というのは変わりないというか…。
私は変更になったという、このラストは好きなのですが、
もうちょっとハロルドに自主性が出てきてほしかったと思いました。